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「小泉八雲とセツが歩いた道」道体験ブログシリーズ~八重垣神社~
鏡の池に浮んだ縁
ここ八重垣神社は「鏡の池」が有名で、今も紙を浮かべて縁を占う風習が続いています。
この池は、稲田姫命が八岐大蛇の難を避けるため、森の大杉を中心に八重垣を造って御避難中、日々の飲料水とし、また御姿を写され美容調整された神秘的な池で「姿見の池」ともいいます。
こんこんと湧き出る清水は昔ながらの面影をしのばせ、稲田姫命の御霊魂が底深く惨透しているところから縁結び占いの池として信仰されています。
セツはまだ八雲と出会う前、友達とこの神社を訪れました。
池に和紙を浮べ、硬貨をそっと乗せるとーーー紙はしばらくの間水面に漂い、遠くの方で静かに
しずんでいったといいます。
それは「身近な人ではなく、遠くの方とのご縁が、時間をかけて結ばれる」という暗示。
その時セツは、自分が後に異国から来た八雲と深い縁をむすぶことになるとは、夢にも思っていなかったでしょう。
後にセツと結ばれる八雲もまた、出雲を訪れた折に八重垣神社を訪れました。
異国から来た彼にとって、八重垣神社はただの神社ではなく、日本人が信じてきた「縁の神秘」を感じさせる特別な場所でした。
そして私も、ご縁をいただき家族で八重垣神社を訪れることとなりました。
多くの方々が参拝に訪れており、この地がいかに人々に親しまれている場所であるかを実感しました。
鏡の池へ向かう途中、「夫婦椿(めおとつばき)」と呼ばれる不思議な椿の木が祀られています。
それぞれ別々に育った二本の木が途中で一つの幹に結ばれるように繋がっており、まるで“縁結び”の象徴のような佇まい。
その姿にそっと手を合わせる参拝者の姿も多く、恋愛成就はもちろん、夫婦円満や家族の絆を願う気持ちに静かに寄り添ってくれているようでした。
そしてその先に現れるのが、まっすぐ空に向かって立つ、森の中心にある二本の大杉。
その姿はまさに圧巻で、目の前に立つと自然と背筋が伸びるような、堂々たる佇まいでした。
幹は太く、力強く地に根を張り、どこまでも高く天を突き刺すように伸びるその姿からは、まるで神々の存在を感じさせるような神聖さが漂っています。
古よりこの地に立ち、訪れる人々を静かに見守ってきたのだろうと思うと、思わず手を合わせたくなるような尊さがありました。
日常とは異なる時の流れの中で、この大杉の下に身を置くだけで心がすっと落ち着き、浄化されていくような気さえします。
そして、ついに鏡の池へ。
池にはたくさんのおたまじゃくしが泳ぎ、池そのものが命に満ちているかのようでした。
紙を聖水にそっと浸すと、記された言葉がふわりと浮かび上がってきます。
祈りを込めて水面に浮かべ、硬貨をそっと乗せると、紙はゆっくりと静かに沈んでいきました。
その光景はとても幻想的で、願いを託した言葉が水に抱かれていくようで、しばし見とれてしまいます。
用紙が早く沈む(十五分以内)と良縁が早く、遅く沈む(三十分以上)と縁が遅いといわれ、又近くで沈むと身近な人と、遠くで沈むと遠方の方と結ばれるといわれております。
ご結婚されている方は、答え合わせのような気持ちで占ってみると、より楽しめるかもしれませんね。
…ところが!
鏡の池は一度落ちたものは拾えません。(落としてしまった場合は神主さんを呼ぶ)
子どもたちが池に落ちやしないかと、親としては内心ヒヤヒヤ……。そんなこともあり
うちの3歳児、池に近づくのを躊躇して、勢いよく硬貨を上から「ボトンッ」と置いてしまい、占い用紙をつき破り硬化がだけが池の底へまっしぐら…
「うそでしょ!!」
こればかりはもう…しょうがないですね。
さらに、慎重派のはずの上の子(小学4年生)までもが、
なぜか占い用紙を上下逆さまにして浮かべるという謎の行動。
「あなたまで!?未来が…未来が…!」(笑)
どうか神様大目に見て下さい‼という気持ちでした。
っとこんな感じでハプニングもありましたが、
この静かな池に流れる気配、空間には、
“ご縁”を結ぶ神聖な空気がたしかに宿っていると感じました。
ちょっとしたハプニングも含めて、忘れられない体験になりました。
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